~・~・~更新情報~・~・~
2019.6.18 チェーン長の調節方法について追記・修正いたしました
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今や大人気のマイチャリカスタマイズ、フロントシングル化。
その作業手順を、
必要な道具をいろいろと紹介しながら、
初心者でも安心してとっかかれるくらい詳しくしかし簡潔に、
完全解説いたしますっ!
と、その前に、
記事が前・後編で2分割されてしまい、すみません。
ポリシー的にも記事分割というのはあまり好ましくないのですが、
あくまで初心者に対しても詳しく分かりやすくというコンセプトに従うと使いたい画像があまりに多く、
1ページのボリュームが膨らんでデータ読み込みに支障が出そうな気がしたので、
不本意ながら分割させていただきました。
あしからずご了承くださいませm( __ __ )m
それでは早速いってみましょう!
ちなみに当記事では以下全項目の内、橙太字の作業其の五~八までを【後編】にて解説いたします。
作業其の一 チェーン切り
作業其の二 フロントディレイラー外し
作業其の三 フロントシフトケーブル除去
作業其の四 フロントシフター外し
作業其の五 右クランク外し
作業其の六 リング取付
作業其の七 右クランク取付
作業其の八 チェーン長調節&再リンク
作業其の一~四については【前編】をご確認ください。
分割したにも関わらず、この【後編】はかなりのボリュームになっております!
覚悟召されよ!
下記クリックで好きな項目へ移動
作業其の五 右クランク外し
いよいよここからクランクへ手を入れていきます。
右クランクを外しましょう。
『リング付け替えるだけでしょ?クランク外さなくてもよくない?』
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そう簡単にはいかないんですねコレが。
やってみましょう。
上画像の○で囲んだいかにもという感じのボルトを外していきましょう。
ちなみに、リングをクランクに取り付けるためにニョキッと四方へ飛び出ている腕のことを“スパイダーアーム(または単にアーム)”といいます。
「四方」と書きましたが、
旧モデルのロードクランクは5アームでしたので当然ボルトも5本です。最近は4アームが主流ですね。
全てのボルトを外しましたが、ここまでです。
残念ですが、ミドルリングとインナーリングはアームに引っ掛かってしまい、この状態では完全に取り外すことができないのです。
ちょっとネタバレですが、
実は私がシングル化に使用したRACEFACEのナローワイドリング36tは、アームを潜り抜けられました。
つまり、クランクがBBに装着された状態でもリングの着脱ができたのです。
これはおそらく歯数、つまり「使用するリングが何tか」によってできるできないが別れると思います。
もちろん、歯数が少なければその分リングは小さくなりますから、アームに引っ掛かりやすくなります。
「クランクがMTBトリプルではなくMTBダブルで、かつインナーが36t以上ならもしかしたらクランクを外さなくてもいけるかも?!」
と考えたこともありましたが、そんなクランクは存在自体がありませんでした。
ロードクランクのアームはMTBクランクのアームより少し長いので(シマノならMTBのPCDが104or96に対してロードのPCDが130or110)、インナーは高確率でアームに引っ掛かってしまうと思います。
※ロードコンポにはあまり詳しくありませんので、実際にやってみてください。ごめんなさい。
※PCDについてはサイクルベースあさひの説明が分かりやすくて参考になります。
ま、早い話が、とりあえず右クランク外しましょってことです。
ではクランクの外し方ですが、
私の愛車メリダ号のBB(ボトムブラケット)がスクエアテーパーですから、必然的にスクエアテーパーのクランクの外し方の解説になります。
ISISとオクタリンクも、使う道具がほんの一部のみ異なるだけでやり方は同じですので参考になると思います。
2ピースクランクは・・・
文章による説明はできなくもないのですが、画像を持っていませんので詳しく解説できません。
よって割愛させていただきます。
ごめんなさい。m( __ __ )m
それではスクエアテーパーとISISとオクタリンクのクランクの外し方、いってみましょう!
まずは中央のボルトを外さねばなりません。
このクランクには8mmの六角穴ボルトが着いていますので、8mmのアーレンキーを使用します。
10mmタイプもありますので要確認です。
ボルトのタイプが↓こういうのもあります。
参照:Amazon
六角“穴”ではなくて、ボルトの頭自体が六角になっています。
これが着いているクランクはほとんどが古いモデルだと思います。
もちろんこれはアーレンキーでは外せません。
しかもボルトの頭が少し奥まったところにあるので、通常のスパナとかモンキーでも頭を掴みにいけません。
このボルトの場合はソケットとかボックスレンチを使用しましょう。
サイズは14mmか15mmです。
さて、このクランクボルト。
すんなり回ればかなりラッキーですが、おそらくめちゃくちゃ固く締められていると思います。
自転車整備でよく使う工具がアーレンキー(六角レンチ)ですが、私が愛用しているアーレンキーは【前編】でも紹介したTOPEAKのHexusⅡです。
HexusⅡは携帯ツールなのですが、それまではこれだけでどーにかこーにかなっていました。
ところが、アホほどキツく締められたこのクランクボルトにはビクともせず、携帯ツールの限界を感じました。
右クランクを上にしてバイクを寝かせて、潤滑系のスプレーをそれこそ溢れんばかりにしこたま吹いて、一日置いてみました。
その後、これ以上やったら携帯ツールの方がイカレるんじゃないかというぐらい力を掛けてみましたが、
相変わらずビクともしませんでした。
あまりにも回らなさ過ぎると「回す方向って、こっちであってるよな・・・?」と不安になってきたりしますが、
クランクボルトは左右で正ネジとか逆ネジとかはありません。通常のネジ同様、左回り(反時計回り)でゆるみます。
トルク不足を感じて、もうちょっと大きめのある程度しっかりとしたアーレンキーを用意するしかないと思い、
そこら中のホームセンターを回れるだけ回って、
↓こちらを買いました。
そもそも、8mmのアーレンキーというのは自転車整備においてほとんど出番がありません。
10mmもしかりです。
それゆえに、よくあるアーレンキーセットで8mmとか10mmとかまでセットになっているものはオススメできません。
なぜなら、例えば4mmが使いたくて工具箱からアーレンキーセットを取り出すとき、そのセットには滅多に出番がない8mmとか10mmとかがついているのです。
それって無駄じゃないですか?
セットを持っていないにも関わらず8mmを単品で買ったのはそういう理由からです。
セットで買うなら6mmまでのセットになっているものをオススメします!
さて、
早速買ってきたアーレンキーをセットして、この状態で右手でクランク、左手でアーレンキーを握ったら全体重をかけて思いっきり下へ押し下げます!
「たのむっ!!!(回ってくれ!+ネジ山ナメないでくれ!)」
と声に出んばかりに祈りながらフルパワーをかけると・・・
うおおぉぉーーーっ!!
回ったぜEEEeeeーーーっ!!!
回った瞬間ガクッと前のめりになってギア板に突っ込むと血だらけになりますので気を付けましょう。
クランクにはまっているときには気付きませんでしたが、このボルトにはシール材が付属していました。
これでは大量に吹いた潤滑スプレーはほとんど意味がなかったかもしれませんね。
それにしても、どうもボルトにグリスをしっかり塗ってあるようには見えませんでした。
固着してなかなか回らないネジは取り付け時のグリス不足か、あるいは単純に錆びてしまっているかが原因のほとんどです。
真ん中の丸い穴がクランクボルトがねじ込まれていたネジ穴で、
その穴の周りを囲んでいる四角(この画像の角度だとひし形)がBBシャフトです。
シャフトが四角形であるため、これを“スクエア(四角)テーパー”と呼ぶんですね。
お次は、このシャフトからクランクを取り外します。
これにも専用の工具があります。
それがこの↓「コッタレス抜き」です。
私はこのシマノ純正品を買いました。店頭で1500円くらいしたと思います。
シマノ コッタレスクランク専用工具 [TL-FC10] BB取り外し Y13009010
インターネットで「コッタレス抜き」と検索すると同様の他社製品もいくらかヒットすると思います。
他社製品はもっと安く手に入りますので、そちらでもいいかもしれませんね。
まずは画像で“チョボ”と表した出っ張りを引っ込めるため、チョボの反対側をクルクルと回します。
ここでワンポイント!
実は、チョボの反対のクルクルと回す方が、14mmのソケットになっています。
そうです!
クランクボルトが↓このタイプで14mmならこれをソケットとして使えるのです!
このコッタレス抜きを持っていれば、別途ソケットやボックスレンチを買う必要がありませんね!
っていうかどっちみち要るよNE!
チョボの反対側のソケットをクルクルと回していき、チョボとネジ切り部分が面一(ツライチ)なったところで一旦ストップ。
この状態で、ツライチになった方をクランク中央の穴へねじ込みます。
ツライチにしたネジ切り部分を指で回し込んでいき、回らなくなったら一旦ストップ。
今度はソケット側を回し込んでいきます。
最初は指でクルクルと回していき、回らなくなったら一旦ストップ。
回らなくなったということは、すなわち先ほどツライチにした“チョボ”がシャフトへ突き当たったということを意味します。
ここからさらにねじ込んでいくために、指では回らなくなったソケット側を今度はレンチなどでグイグイと回していきます。
大きめのモンキーなどを使用するとパワーがかかりやすく、回しやすいと思います。
これをさらに回し込んでいくことによって、
さきほどツライチにした“チョボ”がシャフトをグイグイと押し、終いにはシャフトからクランクを離脱させます。
と、ここでISISおよびオクタリンクの場合!
上記のようにチョボをいくら回し込んだところで意味がありません。
参照:Amazon
これはシマノのオクタリンクBBですが、シャフトが太めの筒状になっているためチョボをいくら回し込んでもこの穴の中へ入ってしまって、シャフトを押し返すことができないのです。
ISISは規格は違えど構造はほとんど同じですから、オクタリンクと同じことが言えます。
したがって同じ方法で解決もできます。
それを↓こいつが担います。
参照:Amazon
TL-FC15という型番のれっきとした工具で、オクタリンク(ISIS)を外すための専用のものです。
板金が得意な人なら、これくらいなら作れそうな気がしてしまいますね。
で、
これをBBシャフトの先端へ差し込むと、筒状のシャフトにフタがされた状態になって、チョボで押し込めるという寸法です。
BBがISISやオクタリンクのバイクの方はこのポイントだけ押さえていただいて、その他は全く同様に作業が可能です。
さて、作業に戻ります。上から見るとこんな感じです。
今まさに“チョボ”がシャフトを押していて、クランクが車体(フレーム)から少しずつ離れていっています。
もう離脱寸前です。
よっしゃあぁ!外れたぁぁーバァぁロォーメチキショぉぉーー!
作業的には一番苦労する可能性が高い右クランク外しがこれにて完了です!
こういう時くらいしか、クランクの裏側やBB周辺などをしっかり目視しながら掃除できるチャンスはありません。
ここぞとばかりにキレイにしてやりましょう!
作業其の六 リング取付
作業の解説へ入る前に、
今回のカスタマイズの要ともなるナローワイドリングそのものの選び方や、取り付けるに際して押さえておくべきポイントなどを別記事にてまとめました。
⇒ナローワイドにシングル化する時の思考ポイント【PCD(BCD)とかチェーンラインとか】
初心者さんはもちろん、ちょっと不安な方もどうぞご一読ください。
それではお待ちかねのリング取付、いってみましょう!
まず準備するアイテムとしては、
ナローワイドチェーンリングはもちろんですが、もう1つ別途用意しなければなりません。
それがリングの固定ボルトです。
「え?もともと固定していたボルトがあるじゃない?!」
と、思いますよね?
ところがもともと着いていた固定ボルトは、
アウターリング + アーム + ミドルリング=合計3つを固定していたものなので、
若干長いのです。
なぜ長いとダメなのかというと、
それはこのボルトの特殊な形状によるのです。
↓これは私が実際に購入した固定ボルト、巷では“フィキシングボルト”などというものです。
ちょっと変わったボルトで、オスもメスも筒状になっています。
通常のボルトとナットだと、
ナットはボルトの頭の根本まで締め込んでいくことができますが、
このボルトはメス側、つまりナットに相当する側が筒状になっているため、
メス側の筒部分の長さを固定される物の厚みが超えなければ固定できません。
つまり今回のカスタマイズにおきましては、
アーム先端 + チェーンリング1枚だけ=合計2つの厚さより、
ボルトの長さが短くなければなりません。
これは↓ダメな例です。
両方合わせた厚さ合計より、ほんの少しだけボルトの方が長いのが分かりますでしょうか?
これだといくら頑張ってネジを締めていっても最後まで絶対にきちんと固定されません。
実は、このチェーンリングは一応リバーシブルなのですがそれは後々知ったことで、当初私はこちら側を表側だと思っていました。
ボルトもシングル用に短いタイプを買っていたので、きっと大丈夫だと思っていたのですが、
いざ取り付けようとすると・・・
なんとボルトの頭が引っかかるところだけ1段下がっているではないかっ!
おいマジかYO!
聞いてねーYO!!
現物を見るまでは、まさかこんな加工がしてあるなどとは微塵も考えていませんでした。
しょうがないので、私的には裏側だと思っていた方を表側へ向けて固定することにしました。
固定ボルトの径に合ったワッシャをいくらかませてかさ上げする方法もありましたが、
すでに一応は取り付けができる状態を先延ばしにしてまで裏・表にこだわりはなかったし、
固定ボルトの径を調べる→ワッシャ調べて買う→届くの待つ
なんて悠長なことやってられっかYO!
一刻も早く乗りたいんだぜ!
あ、それから、
ちょっと変わっているというともう1点。
このボルトを締める工具なのですが、
表側(オス側)は六角か星形で、六角ならアーレンキー、星形ならトルクスレンチ(T30)を使用します。
トルクスレンチとはこういうのです。
裏側(メス側)は六角か横溝で、六角ならアーレンキー、横溝ならペグスパナを使用します。
ペグスパナとはこういうのです。
参照:Amazon
先端を溝に引っ掛けるように使用します。
いろいろと工具が必要になるので困ったもんです。
節約ライダー的には死活問題であります。
ちなみに私が用意したGIZAというメーカーのボルトは表も裏も六角穴でしたので、これならアーレンキーだけで事足りるんだぜ!
それからこれはまぁ人によりけりですが、
もともとのチェーンリングを外して露出したアーム部分って、摩擦によって表面が削れてしまって、
なんだか汚くないですか?
しかもおニューのリングはミドルの位置に取り付けますので、バイクのフェイスともいわれるクランクがキチャナイのはちょっと・・・
気にしぃの私は手元にあったこれで対処しました。
本来は自動車とかオートバイなんかで、
擦り傷などの補修用として使用される“タッチアップペン”というやつです。
クランクに使用する際には油分をしっかり落としてよく乾かしてからにしましょう。
そもそも、私も擦り傷を補修するために買っておいたのでした。
ということで、いざ取り付けです。
共回りしないように一方をしっかり固定させて、もう一方を締め込んでいきます。
ボルトを締める時の注意点として、
①グリスを塗っておく
少なすぎても意味ないし、多すぎるとはみ出してきて汚れの原因になります。
しかし塗る量にはそんなに神経質になる必要はありません。
薄くまんべんなく濡れていればOKです!
きっちり締め込むため、固着防止のためなどにとても効果的です。
様々な種類のグリスがありますが、一般的な万能グリスと言われるリチウムグリスとか、シャーシグリス(シマノのプレミアムグリスはこの仲間)とかで良いと思います。
②1つずつ思いっきり締めない
とりあえず締めこむのに「グッ」と力がかかるところまでは好きに締めていって、
そこからは先は、
1つ少し締める→別のを少し締める→また別のを少し締める・・・
という感じで偏らないようになるべく均一に徐々に締めこんでいきます。
4アームでしたらこんな感じで。
5アームなら五芒星を一筆書きするような感じでOKです。
これはチェーンリングの固定ボルトだけではありません。
同一の物体を複数のネジで固定する場合は同じ要領です。
それから、アルミ製のボルトは柔らかいので思いっきり締めると潰れますからご注意を。
アルミに比べてステンレスとかチタンは頑丈ですね。
こういう時にトルクレンチがあると便利ですね。
というか、自転車のネジって適正トルクがイチイチ設定されていて、ちゃんと整備しようと思ったらトルクレンチって必須かもしれません。
“トルクスレンチ”とか“トルクレンチ”とか、ややこしいですが別物です。
作業其の七 右クランク取付
いよいよ作業も大詰めです。
右クランクを取り付けましょう!
取り付けるには取り外しほどの苦労はありません。
基本的には作業を逆からやっていけばOKです。
落ち着いていきましょう。
逸る気持ちを抑えきれずに慌ててはめるとこういう爆笑チャリが爆誕します(。A 。 )
必ず左クランクの向きと正反対になるように取り付けましょう。
横から見たときに左右一直線になるように、です。
このボルトにはそれはそれは苦労させられましたからね、きっちりグリスアップしてやります。
特にクランクはダイレクトに力が掛かるところですから、ネジ締めもキッチリと。
ここもやはりトルクレンチがあると便利だし安心ですね。
私はトルクレンチ持っていませんでしたから、
そりゃもう思いっきり締め込んでやりましたよ!
外れたら怖いし!
適正トルク?
ええ・・・
それは、まぁ・・・ はい。
作業其の八 チェーン長調整&再リンク
チェーンを適切な長さに調節するために、早速フロントのチェーンリングにチェーンを掛けます。
おニューのチェーンリングちゃんのためにも、事前にチェーンをお掃除しておきましょうね。
チェーンの適切な長さというのは、
リアをトップ(一番歯数が少ないギア)に入れた状態で、
リアディレイラー(以後RD)のガイドプーリーのボルトとテンションプーリーのボルトを線で結んだとき、
この直線が地面と垂直であることが望ましいとされています。
2019.6.19追記・修正
上記下線部のチェーン長の決め方は「ロードコンポかつリアスプロケのローギアが27t以下の場合」という条件下で有効な方法であり、
それ以外の場合は、
RDを通さずにアウターロー(フロント最大ギア×リア最大ギア)で最短の長さ+2リンクに調節することが望ましいとされています。
下記リンクにて詳しく解説してありますので、是非そちらを参考になさってみてください。
筆者自身も不勉強によって失敗を経験し、これは重要だと感じたので追記・修正させていただきます。
参考にしていただいている読者の皆様に誤解を与えてしまうような表現がございましたことをお詫び申し上げます。
※シマノの場合はフロントがダブルなのかトリプルなのか、スプロケットのローギアは何tなのか、さらにはコンポの種類など、いくつかの要素から推奨されるチェーン長の調節方法があるようです。ここでは割愛いたします。
フロントシングル化によって、フロントギアの歯数が少なくなるケースが大半ではないかと思います。
大きいフロントアウターにも対応できるようにしてあったチェーンの長さから、歯数が少ないギアにシングル化するのですから、
チェーン長もそれに合わせて短くしてやらねばなりません。
チェーン両端をグイッと引っ張るとRDのプーリーケージが動きますので、
ちょうどいいくらいのところでチェーンカットして、
後は再びつないであげればOKです。
これはチェーンステーの上側ではなくて下側でやった方が作業が簡単だと思います。
では実際に、
チェーン両端をグッと引き寄せて、
RDのガイドプーリーボルトとテンションプーリーボルトを結んだ線が地面と垂直くらいになるところでチェーンの長さを決めて、
余った部分はカットしてしまいましょう。
2019.6.18追記
上述の通り、上記下線部は「ロードコンポかつリアスプロケのローギアが27t以下の場合」に有効な方法であり、それ以外の場合は(つまり筆者のような場合も)別の方法が有効です。
上記リンクからご確認ください。
もちろんピッタリ垂直にはならない場合も多々あるでしょうから、それほど神経質にはならずともよいです。
ただし、若干短くなるよりは、若干長くなるように調節しておいて、
あとあと様子を見ながら必要に応じて再カットできる余地を残しておいた方がよいでしょう。
チェーンを切るやり方は【前編】の作業其の一チェーン切りをご覧いただければ結構ですが、今度はつなぎ直さなければいけませんのでタダ余分なリンクを切るだけではダメです。
コネクトピンでつなぐ場合
コネクトピンで再リンクする場合は、必ず新品のピンを用意しましょう。
参照:Amazon
The消耗品の割にはお値段が高いのがなんともなーです。
チェーンをカットする際、ピンを押し出し切る寸前でアウターリンクに引っかけるように留めておき、
再度ペンチなどで強引に押し込むことで再利用する荒業もあるようですが、オススメはいたしません。
コネクトピンは、
アウターリンクとインナーリンクの穴を揃えてそこへ貫通させることでつなぐわけですから、
必然的に、
一方の端がアウターリンク、もう一方の端がインナーリンク
となるように切らなければなりません。
うっかり、
アウター×アウター or インナー×インナー
とならないように気を付けましょう。
つなぐ時も、切る時と同様にピンを真っ直ぐ押し込んで、貫通後に歪みなどが無いか必ず確認しておきましょう。
ミッシングリンクでつなぐ場合
ミッシングリンクというのは↓こういうのです。
パッケージのイラストにもあるように、
チェーン両端ともにインナーリンクにして、それをつなぐアウターリンクの役目をこのミッシングリンクが担うってことですね。
コネクトピンは、チェーンを切るたびに必ずまた新たなピンで留めるという行為が必要になります。
見た目によらず結構お高いので、そうそう気軽にはチェーン切りできません。
ところがこのミッシングリンクはスライドさせることで着脱可能で、他に新たな材料が必要になることはありません。
簡単にスライドさせることができる専用工具がありますが、無くても可能です。
私は持っていません。。。
何回かは再利用できますので(パッケージには約3~5回と記載有)、そんなにしょっちゅう切ってばっかりということもないでしょうし、
一回買っておけばしばらくは持ちますし、
掃除も作業もし易くなって、
値段も安いので、
節約ライダーの味方です!
リア何速対応かだけ間違えないように気を付けましょう。
再リンクしたあと
とりあえず、リアの変速が問題ないかを簡単でもいいので確認しておきましょう。
また、最初は少し様子見運転をするようにして、かっ飛ばすのはそれからにしましょう。
少し試運転してみて問題なければ、
いよいよ、
待ちに待った、
フロントシングルライドに赴きましょう!
もう自転車が楽しくてしゃーないっすね!!
【前編】おさらい
不安な方は何度か読んでシミュレーションしてみてください。
【前編】作業内容
作業其の一 チェーン切り
作業其の二 フロントディレイラー外し
作業其の三 フロントシフトケーブル除去
作業其の四 フロントシフター外し
⇒【前編】フロントシングル化のやり方と必要な道具を完全解説いたします!
コメント
とても参考になりました!ありがとーありがとーありがとー
こたぞうさん
コメントありがとうございます。参考にしていただけて嬉しい限りです!
私から一点お詫びと訂正なのですが、記事中のチェーン長を適切な長さに調節するくだりのところで完全誤表記とまではいかずとも重要な説明不足があり、
本日追記と修正をさせていただいたところです。
本文中に別リンクを掲載いたしましたがこちらにも貼らせていただきますので、もしよろしければご確認いただければと思います。
http://donchari.com/maintenance-3-2831
コッタレス懐かしいですね。(何故コッタレスかといえば更に昔にはコッターピンてのがあったんですが、考えてみたら50年位前?)
で40年くらい前には六角レンチだけでコッタレスのクランクを着脱可能なクランクキャップとボルトのセットが普及しだしたのですが近頃はそうでもないのかな?ちなみにペグスパナの広い方のカニ目はこのキャップの着脱用です。
また短い側が極端に短く長い方は更に長く、延長パイプも付属したクランク着脱用のヘキサゴンレンチもありました。
まあ部品盗難とか考えると抜き締め工具が無いと外れない方が良いんですかね。ブランク長すぎて現在の事情はよくわかりません。
猫座布団さん
コメントありがとうございます!お返事が遅くなり申し訳ございません!
時の流れの中で様々な規格が生まれては廃れを繰り返してきたのだと思います。当時流行った規格が今は全く使われなくなってしまい、その結果パーツの入手性が低下して整備したくてもなんともならない、なんていうことも少なくないのかもしれません。
私の知人に30年ほど前のMTBをカスタムして乗ってる方がいますが、いつかは整備不可能となってしまうのか…寂しい気もします。
入手できるうちに予備パーツを買い貯めておく、とかですかね。
そういう意味では、コッタレスが市場から消えて無くなることは今は想像ができませんが、いつかそんな時が来るのか…自転車が空を飛び出したらなくなるかもしれませんね。しかしそうであっても今の我々が楽しんでいる自転車は絶滅して欲しくないと切に願います。