今や大人気のマイチャリカスタマイズ、フロントシングル化。
その作業手順を、
必要な道具をいろいろと紹介しながら、
初心者でも安心してとっかかれるくらい詳しくしかし簡潔に、
完全解説いたしますっ!
と、その前に、
記事が前・後編で2分割されてしまい、すみません。
ポリシー的にも記事分割というのはあまり好ましくないのですが、
あくまで初心者に対しても詳しく分かりやすくというコンセプトに従うと使いたい画像があまりに多く、
1ページのボリュームが膨らんでデータ読み込みに支障が出そうな気がしたので、
不本意ながら分割させていただきました。
あしからずご了承くださいませm( __ __ )m
それでは早速いってみましょう!
ちなみに当記事では以下全項目の内、橙太字の作業其の一~四までを【前編】にて解説いたします。
作業其の一 チェーン切り
作業其の二 フロントディレイラー外し
作業其の三 フロントシフトケーブル除去
作業其の四 フロントシフター外し
作業其の五 右クランク外し
作業其の六 リング取付
作業其の七 右クランク取付
作業其の八 チェーン長調節&再リンク
作業其の五~八については【後編】をご確認ください。
下記クリックで好きな項目へ移動
作業其の一 チェーン切り
まずはチェーンを切ります。
といっても鉄ノコで切断するわけではありません。
ここでチェーンの構造を簡単に確認しておきましょう。
チェーンはこのように、
インナーリンクとアウターリンクが交互に連なり、それぞれが重なるところにコネクトピンを貫通することで連結させています。
したがって“チェーンを切る”というのは、コネクトピンを抜いて連結を解いてやることを意味します。
それではチェーンを切るための道具をご紹介しましょう。
チェーンを切るにはチェーンを切るためだけにこの世に誕生した“チェーンカッター”なるものが存在します。
↓こういうやつです。インターネットで検索するとたくさん出てきますのでチェックしてみてください。
参照:Amazon
価格としては1000円前後の商品が多いと思います。
ここで、私が愛用しているチェーンカッターをご紹介しましょう!
こちらです!ドンッ!
これはTOPEAKの「Hexus(ヘキサス) Ⅱ」という携帯ツールです。
このヘキサスⅡがめちゃくちゃ便利でして、
なんと、チェーンカッター付です!
これ以外にもイケてるポイントがたくさんあるのでまた別の記事でご紹介しますが、
このヘキサスⅡは本当にオススメです。
では適当にどこでもいいので画像のようにチェーンカッターにチェーンをセットします。
この時、溝に対してまっすぐチェーンをセットするように気を付けてください。
画像ではすでにカット後のチェーン姿ですが気にしないでください。
チェーンをセットしたら先端側の黒いネジ切り棒を、最初は指でクルクルと締め込んでいきます。
チェーンに当たる側の先端がチェーンまで到達したら、その先端がコネクトピンにまっすぐ当たっていることを確認してください。
ここがズレた状態でさらに締め込むと工具かチェーンのどちらかが破損する危険があります。
この先は指で押し込めるほどヤワではありませんので、画像のようにハンドルをセットしてグイグイと締め込んでいきます。
ちなみに単品のチェーンカッターは基本的に最初からハンドルが付いている仕様だと思います。※上画像参照。
ヘキサスⅡの場合は、ツール両サイドのプラスチックカバーがタイヤレバー(両方)兼チェーンカッターのハンドル(片方)になっています。
ハンドルをセットする穴は六角穴になっていますので、お手持ちのアーレンキーでもハンドル代わりになります。
グイグイ押し込んでいくとコネクトピンが押し出されてきます。
これでチェーン切りができました。
押し出されたコネクトピンは捨ててしまってOKです。
アウターリンクから抜く寸前で止めて、再リンクするときにもう一度押し込み戻すという荒業もあるようですが、
コネクトピンは一度抜いたら終わり。
次につなぐときには新品を使用するのがセオリーです。
作業其の二 フロントディレイラー外し
チェーンが切れたらフロントディレイラー(以下FD)を外してしまいましょう。
チェーンはFDのプレートの中を通っているので、チェーンを切ってプレートから抜ける状態にしないとFDは外せないのです。
最初にチェーンを切る理由がそこにあります。
まずはシフトケーブル先端のエンドキャップを外し、
それからシフトケーブルをFDに固定しているボルトをゆるめて、
ケーブルをFDから外します。
残りはシートチューブに固定しているボルトだけですので、ゆるめてFD本体を外しましょう。
ハイッ!スッキリ!!
(*`・ω・)b
作業其の三 フロントシフトケーブル除去
お次はフロントシフトケーブルを除去します。
別の作業もできるのですが、
FDから離脱したケーブルがプラプラと邪魔ですからね。先に取っ払ってしまいましょう。
まずインナーケーブルのルールとして、
ケーブルの片側先端に“タイコ”と呼ばれる、いわゆる引っかかりのようなものが付いています。
そして、
シフトケーブルならシフターから、
ブレーキケーブルならブレーキレバーから、
タイコが付いていない方から差し込んで、ずーっと送り込んでいき、最後にタイコで引っかけて止まるようになっています。
したがって、
その逆でケーブルを取り外す時は、タイコを掴んで引っ張らないと外れません。
最初に、シフターに引っかけてあるタイコを露出させます。
シマノのラピッドファイヤーなら、モデルによって微妙に位置の違いなどはありますが、構造は基本的に同じ(ハズ)です。
まずはケーブルの出入り口であるネジフタを取り外します。
フタを外すとおそらくすぐそこにタイコが見えると思います。
インナーケーブルを逆流させて、タイコを外へ押し出しましょう。
タイコが出たら掴んでスルスルと引っ張って、インナーケーブルを最後まで引き抜いてしまってください。
その後は残ったアウターケーブルも取っ払えば、ケーブル除去完了です!
もし、
『ケーブル引き抜くのメンドクセーeeeEEEーっ!!!』
という人は、シフターに近いところでアウターケーブルもろともぶった切ってしまえば、スルスルと端っこまで引き抜かずとも済みます。
その場合はシフトケーブル破棄前提です。
破棄前提で作業慣れしている方はそれでもいいかもしれませんが、特に初心者さんには構造に対する理解を少しでも深めるという意味も兼ねて、前者の方法をオススメしたいです。
ちなみに、ケーブルを針金程度の強度とみくびると痛い目に遭います。
ホビーユースのニッパーなどではとても歯が立ちませんので、ワイヤーカッターを用意しましょう。
ゆくゆくのメンテナンスでケーブル交換に挑戦する際には必要になる工具ですので持っておくとよいでしょう。
インターネットで安いものだと1000円程度からありますが、あんまり安いのは切れ味に難がありキレイな断面になりにくいものもあるようです。
私が使用しているのはこちらです。
参照:Amazon
1300円程でかなり安い方ですが、10回くらい使っても刃こぼれはありませんし、切れ味も悪くありません。
趣味での使用であればこれくらいで十分だと思います。
節約ライダーにとって工具を揃えるというのは悩みの種です。
いろいろあって面白そうで触ってみたくなりますけどね。
このカスタマイズはバイク購入からおよそ9か月後に実施しました。
たしかに雨の日の通勤もありましたが、それでもたったの9か月でアウターケーブル内側の鋼線に錆が出てしまっています。
グリスアップが不十分だったのか、乗り方がズボラだったのか、
どちらにしろこれだと多少は変速性能に悪影響を及ぼすかもしれません。
みなさんもチェックしてみてください。
こういう細かいところまで気を遣ってやると愛車はさらに喜んでくれるでしょうね。
作業其の四 フロントシフター外し
シフトケーブルを除去しましたので、これにてフロントシフターもお役御免です。
早速取っ払っちゃいましょう!
当然ですが、STIの場合はWレバーにでもしない限りシフターだけ取っ払うということはできませんので、この作業其の四はすっ飛ばしてください。
必然的にラピッドファイヤーやグリップシフターの方が対象の作業ですね。
ここで愛車に装着されているシフターによって、3パターンに分類されます。
①グリップシフター
②ラピッドファイヤー シフター独立型
③ラピッドファイヤー シフター一体型
②と③の見分け方は、シフターにバークランプがあるかどうかです。
つまり、ブレーキレバーはブレーキレバーで、シフターはシフターでハンドルバーに固定されていれば②。
ブレーキレバーでのみハンドルバーに固定されていれば③。
ということです。
まずは愛車のシフターを確認していただいて、
①と②の方は、
バーグリップをスポっと外し、
シフターを固定しているボルトをゆるめ、
バーから外して終了!
です。簡単ですね!
さて、③の方です。
そう、私も③だったので一苦労ありました。
実はこのカスタマイズをするまで、ラピッドファイヤーでブレーキレバーにシフターがくっついているタイプがあるなどとは考えたこともありませんでした。
当然、「シフターをバーからスポッ」をイメージしていたので、自分のシフターを観察してみた時は「???」でした。
まぁでもこのカスタマイズのおかげでこういうこともあるんだと知ることができたので、やっぱり愛車は乗るだけではなくていじってなんぼではないかと思います。
では③のシフターの外し方です。
画像のシフターにはまだシフトケーブルが着いていますが、シフトケーブルはもう無い体(てい)でお願いいたします。
まずはバーグリップを外し、
ブレーキをハンドルバーに固定しているボルトをゆるめて、
ハンドルバーからブレーキ&シフターユニットを外します。
ここは外さなくてもできなくはないですが、様々な角度から観察して構造を確認しながら外す方がスムーズだと思います。
さて、ブレーキレバーからシフターを外したいのですが、
ウラガワのフタを取り外した上記画像をアップにしたのが↓こちらです。
ちなみに、これはST-M370という型番のシフターです。
モデルによって構造に多少差異はあると思いますが、おそらく似たり寄ったりだと思います。
現物をよくよく観察しながらじっくり進めましょう。
まず、最初に真ん中のナットを外す、というのは見て分かりますね。
しかしナット直下のパーツからツメが出ており、ナットを3方から抑え込んでいるように見えます。
ということで、まずはこのツメを起こしてナットを回したいのですが・・・
ツメが殉職しました・・・(つд・)エーン
ラジオペンチでクイッとやった程度で簡単にちぎれるということは、これは1回こっきりのパーツってことです。
もしシフターを外してまたいつか使うかもという方は、このパーツは別途入手しなければなりませんね。
メンドクサソウデスネ。
新しく別のシフターを買った方が早いですね、多分。
ということで、その後も順番になんやかんやと取り外していきましょう。
全て除去するとこうなりました。
ピンクの線で囲った出っ張り部分にシフターが固定されていたわけですね。
どうでもいい話ですが、
ブレーキレバーに「V-BRAKE」って書いてありますね。
私のメリダ号はディスクブレーキなんですけどね。
ケーブルを引くだけだから別にどっちでもOKってことでしょうか。
ハイッ!スッキリ!
と言いたいところですが、この出っ張りがちょっとだけ気になるかなー。
シフターを再利用する気はないし(というかパーツ逝ったからできない)、鉄ノコで切り落としてしまってもいいかもしれませんね。
フロントシフター除去の完了です!
続きは【後編】へ
ご不便をおかけいたしますが、続きの作業は【後編】にて解説させていただきます。
【後編】作業内容
作業其の五 右クランク外し
作業其の六 リング取付
作業其の七 右クランク取付
作業其の八 チェーン長調節&再リンク
【後編】はいよいよクランクにちょっかいを出していきます。
取り外すだけの【前編】に比べて取り付け作業が入って来ますので少し難易度はアップしますが、しっかり準備さえしておけば大丈夫です!
それではいってみましょう!
⇒【後編】フロントシングル化のやり方と必要な道具を完全解説いたします!
コメント
古いですが愛着のあるMTBをこの記事を参考にフロントシングル化できました!
参考までに SNAILの32T にて。 赤にしましたがなかなか良いです。
街乗りにはもう少しギア数を増やそうかなと思っていますが、そういう事も自分で考えてできそうです。
これでトキメキが復活します。ありがとうございました!
おーちゃんさん
コメントありがとうございます!少しでもお力になれたようで、私としても大変嬉しく思います。
チェーンリングは走り的にも見た目的にも放つインパクトが大きく、これぞカスタマイズ!って感じですよね。頑張ってやりきると知識と度胸がついて、あれこれ妄想が膨らんでいくとどんどん楽しくなりますね。
整備については拙い文面で十分にお伝えできていないかもしれません。試し乗りで少し様子を見ていただくなど、くれぐれも安全に、そしてトキメキを爆発させてください!