山中越(やまなかごえ)をご紹介いたします!
京都・滋賀を往来するにはいくつかルートがありますが、最も過酷な選択になりうるのが山中越です。結構な距離と勾配、半端ない交通量と道幅の狭さなど、わざわざ厳しい条件下で往来しようとしない限りは選択から外すのが無難です。ルートスペックだけ見ればヒルクライム的には◎。滋賀側の琵琶湖眺望も見事!
注)当記事内における勾配表記は、一部を除いて筆者の体感によるものであり、実計測値ではございません。
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山中越 スペック&解説
京都市側
距離:6.1km
最大標高差:275m
平均勾配:4.5%
最大勾配:15%以上
北白川別当信号を東へ進み、突き当りの乗願院を左へ曲がったところからスタートです。
しばらくは緩い勾配を進んでいきますが、
スタートから終始道幅が狭く、必然的に路側帯も非常に狭く、大型のトラックやバスなんかも通りますので交通量との戦いがあります。
スタートから400mほど進んだところにルート中最大の勾配が訪れます。
左ヘアピンなのでどうしても内側を通らざるを得ず、交通量が激しいので尚更膨らむわけにはいきません。
ゆるい勾配で進んできたので急激な変化で面食らうかもしれませんが、回ってしまえば落ち着くので一瞬だけがんばりましょう。
ペダルをこすらないように気を付けましょう。
緩急つけながら、それでも急坂とまではいかない勾配で進んでいきます。
スタートからおよそ2km、天然温泉の「えいせん京」付近から10%を少し超えてきますがそれほど長くは続きませんので落ち着いて対処しましょう。
3km地点やや手前、大津市へ入ります。
残り半分、やはり緩急をつけながら進んでいきます。
イヤしかし、これはダメでしょう。
もはや自動車がタイヤをミゾに落とさないように注意を促す線でしかありません。
3.7km地点、右ヘアピンで一旦ピークを迎えます。
ここを回ると下り始めるので初めて来たときはゴールかと思うかもしれませんが、峠はまだ先です。
4.2km地点、再び登ってピークを迎えますが、同じくここからまた下ります。
第一ピークからここの第二ピークまでは距離が短く、第一ピーク後の下りで頑張って加速できれば惰性だけで登れてしまいます。
5.2km地点のサークルKです。勾配的にはかなり落ち着いていきています。
ちょっと一息つくのも結構ですが、反対車線なので車両の往来に十分に気を付けてください。
この看板が見えたら峠は目前です。
直前のわずかな距離だけ10%程度に勾配が上昇します。
比叡山ドライブウェイに進入する後方からの車両に十分にお気を付けください。
ゴール地点は比叡山ドライブウェイ前の三叉路です。お疲れ様でした。
この峠を越えることを「山中越」と言いますが、峠自体は「田の谷峠」です。
大津市側
距離:3.4km
最大標高差:233m
平均勾配:6.7%
最大勾配:10%
南滋賀ランプ信号交差点がスタート地点です。
すでに山にかなり近いところからのスタートとなるため、スタート地点に到達するまでにも少し登っていくところがポイントです。
京都市側と同じく、こちら側も交通量の多さとの戦いになります。
スタート以降、比較的ゆるめの勾配をずーっと進んでいきます。
場違いな雰囲気のラブホテル。なぜその色?どうでもいいか。
直後の比叡山ペットメモリアルパーク前もまだゆるいです。5%くらいでしょうか。
比叡山延暦寺まで残り2.5kmの看板です。
「あれ?延暦寺って…。ホントにあと2.5km?」
と思われた方は鋭いですね。
実は、“延暦寺”というのは比叡山に点在する数々の御堂の総称なんですね。
従って、“延暦寺”という名称の建造物が一つあるわけではないのです。ややこしいですね。
この場合は、一応この山道は比叡山であり、この道の峠を“延暦寺”と表しているのです。
事実、峠はこの先約2.5kmに位置します。
つまりここはこのルートにおいてスタートから約1km地点となります。
約1.7km地点の琵琶湖霊園前から少し勾配が上がり、およそ10%の登り勾配が300m程度続きます。
山中越大津市側では最も勾配がキツイところですが残り半分ですので頑張りましょう。
画像右側に霊園があるのですが墓石がモロに写り込んでしまい、写り込んでほしくない物まで写り込んでしまうことを恐れ、向かい側のバス停目印でご容赦ください。
霊園前からの急坂がちょうど終わるかどうかくらいのところの看板、峠まで残り1.5kmです。
これ以降は序盤のようなゆるい勾配へ戻ります。
およそ2.7km地点の右ヘアピンです。コーナー奥には休憩所があるのがわかりますね。
峠までもう少しです。
山中越の大津市側はチラチラと琵琶湖+街並みの眺望があり、上の方まで来るとかなりのワイドビューで楽しめます。
こういうのも峠道の醍醐味ですよね。
ゴール地点の三叉路です。お疲れ様でした。
山中越 まとめ
京都と滋賀を行き来するいくつかのルートの中では一番のヒルクライムになります。
しかし距離がまずまずあって激坂もワンポイントあるとはいえ、このルートで最も警戒すべきは交通量の多さです。
単純に往来のために通行する車両も多い上に、比叡山ドライブウェイの存在が拍車をかけています。
さらに道幅はどちらかと言うと狭く、バスや大型のトラックも頻繁に通る上に白線は端ギリギリに引かれているため、自転車乗りにとってはなかなか厳しい環境と言えるでしょう。
ひたすら続く登り坂でもできる限りバイクを真っ直ぐにして走る技術や筋力などが求められます。
坂そのもので見たときには、ヒルクライムとして非常に楽しめるルートであることは間違いありません。
京都市側はなかなかの距離と勾配、小川と並走する清涼感。
大津市側も程よい勾配と、なんといっても琵琶湖の眺望が本当に素晴らしい。
道幅は狭いものの路面自体はそれほど悪くなく、走りやすいと言えるでしょう。
しかしながら、
往来する目的は様々ですが、越えた先にまだかなりの行程が控えているような場合は避けた方が無難でしょう。
峠そのものに用があるなら別ですが、向こう側に用があるなら付近の往来ルートである逢坂越か小関越の方が体力を温存しやすいと思います。