愛車遍歴 ~弐号機 カスタマイズ其の弐・フロントシングル化~

タイヤ交換の効果は絶大で、そりゃもうかなりのでした。

のっけから期待以上の結果が出たことで、購入以前より考えていたカスタマイズの構想に自信が持てるようになり、早く次のを試してみたい危険な衝動に駆られました。

下記クリックで好きな項目へ移動

シンプルカスタマイズ

さて、次なるカスタマイズとして選んだのは、

そう、

フロントシングル化です!

フロントギアを1枚にして変速機やシフターを外してしまおうって寸法です。

安いMTBやクロスバイクには低グレードのコンポがインストールされていることが常ですが、そのほとんどのフロントギアはデフォルトで3段です。

もちろん私のメリダ号もフロントは3段で、フロント用の変速機とシフターとワイヤーが付いていました。

まあこれはこれでガチャガチャと楽しかったのですが、
そう感じたのは購入直後のわずかな期間だけでした。

もともと予想していたことではありましたが、

やっぱり街乗りにフロント3段はオーバースペックです。

私のメリダ号はリア9段ですから前3段×後9段で、全部で27通りのギアを選択できる、ということです。
では街乗りで実際にどれくらいのギアを使うかというと、27段中せいぜい5~6段です。

実は、フロント多段ギアの自転車ではなく、フロントシングルの初号機を買った理由の1つがコレでした。
初号機はリア6段のみでしたが、主に街中を通勤で走ることが目的だった私にとって変速ギアはリアだけで必要十分だろうと目論んでおり、
実際まったく不満はありませんでした。

「2台目も最初からフロントシングルギアのを買えばよかったじゃねーか」

そんな声が聞こえてきそうですが、
私が弐号機を購入した当時、完成車でフロントシングルというのは(自転車メーカーのMTBでは)存在しなかったように思います。

“SRAM”というアメリカのコンポメーカーがフロントシングルのクランクセットを売っていましたが、それだけで安いMTB1台買えるようなバカ高いモンに用はないっス!

まあ、ホビーユースであれば、自転車を選ぶ決め手はフレームなんです。
その他のゴチャゴチャと付いている周りのものは、気に入らなければ替えれば良いのです。

でも唯一フレームだけは替えがききません
皆さんも、フレームだけは妥協してはダメですよー



フロントシングル化、その方法は?

さて、話を元に戻しまして、

そうです、フロントをシングルギアにして走りも思考もよりシンプルにしようというのが今回のカスタマイズの狙いです。

では、具体的に何をどうすれば良いかというと、

『フロントギアを残したいギア1枚だけにしてほかの2枚は外し、フロントディレイラー(以後FD)とシフターとワイヤーを取っ払えばOK!!』

と、

私も思っていました。

ところが違いました。

作業の目星をつけながら、一応念のためにネットで確認してみたところ、予想外の情報を得てしまったのです。

それは、

『通常の多段クランクセットをシングルにしただけではチェーンが落ちまくって全然ダメ。』

ということでした。

な、何いいイイぃぃぃ?!
思てたんと違ぁーーーーう!!!

たまたまそういう目に運悪く遭っている人の書いた記事なんだとか、
いや、そう書いてはいるけど実は問題なくイケるんぢゃない?きっと。とか、

都合の良いように自分を納得させるべくさらにネットで情報をあさりましたが、
いかに素人の浅知恵であったかということを思い知らされるばかりでした。

「チェーンが落ちる」というのは、路面の凸凹によって受ける振動や、リアを変速した時のチェーンのバタつきなどによって、チェーンがギアから外れてしまうことを意味します。

そして、これを抑止しているのが他でもないFDだったんだ、ということが調べていくうちに分かりました。

FDのプレートがチェーンの暴れを抑え込んで、ギアから脱落するのを防いでくれていたんですね。

“FDのプレート”とは↓これのことです。
FDのプレート説明図
まあ、FDがあっても落ちるときは落ちますがね。

FDって、変速するだけじゃなくてこういう仕事もしていたんだなぁと、チョット勉強になりました。

さて、

そうはいってもなんとかせねばなりません。

その後も必死で情報をかき集めた結果、

・そのまま
・バッシュガードを付ける
・FDだけ残しておく
・チェーンデバイスを付ける
・チェーンキャッチャーを付ける
・ナローワイドリングにする

これらの方法が見つかりました。
1つずつ見ていきましょう。

1.そのまま

ギア3枚とFDは付けっ放しです。
しかしフロントシングルにしたいんですから、固定するギアをどれか決めて、他の2枚は無視をするという、
いわば脳内シングル化。

考えないようにするというのはもうすでに考えているわけです。
見た目の変化も重要視しているのさ私は。

却下ー!

2.バッシュガードを付ける

バッシュガードとはこういうのです。

ドライブラインのバッシュガード

参照:Amazon

アウターリングより一回り大きいもので、アウターリングよりもさらに外側に装着します。
ズボンの裾をリングに巻き込んだりこすれて汚れるのを防止したり、剥き出しの歯が脚に突き刺さるのをガードしたり、衝突や転倒などで歯そのものが破損するのを防ぐ役目などがあります。

色や形が様々でドレスアップ要素はかなり高く、カスタマイズ的には面白そう!

ですが基本的に「外へ落ちるのをバッシュガードでガードする」だけなのでイン側へは普通に落ちるだろこれ。

落ちては元も子もない。

却下ー!

3.FDだけ残しておく

先に述べたように、重要なのはFDのプレートなので、ギアは1枚にできる上にシフターとワイヤーも取り外せます。

しかしFDの掃除ってやりにくいですよねー。
自転車の掃除メンテで一番イヤかも。
しかも変速という本来の最重要任務を放棄した複雑メカ野郎の面倒を黙って見続けられるほど大人じゃないんだぜ。

保留ー! 保留かよ( ゚д゚)

4.チェーンデバイスを付ける

チェーンデバイスとはこういうのです。

シマノのチェーンデバイスSM-CD50

参照:Amazon

各社各様ですが基本的には、
『クランクのオモテとウラをプレートで挟み込み、さらに上下のローラーを加えることでチェーンの暴れをガッチリと抑え込む』
というものです。

「お、変わったもんつけてんなぁ」とか思われたい願望のある人にはいいかもしれませんね。

しかしメンテナンス性が悪そうだし、野暮ったい見た目がどうにも。。。
何より、要らんもんを取っ払ってスッキリさせたいのにこんな大そうなもんつけるのはどーなん?

却下却下ー!!!

5.チェーンキャッチャーを付ける

私が本件で調査していた頃にあったのはこういうのです。

GIZAのチェーンキャッチャー

参照:Amazon

FDのプレートやチェーンデバイスなんかと考え方は一緒で、これをシートチューブにチェーンスレスレの位置で取り付けることによってチェーンの暴れを制限して脱落を防ぐってなシロモノです。

これは見た目もやる事もシンプルで良さそーではないですか!
若干チープな感じは否めませんが、フレームがマットの黒なのでパッと見ではほとんど分からないでしょうね。

キープ!

6.ナローワイドリングにする

ナローワイドリングは、

ナローワイドリングの歯

このように歯の厚さが交互に『厚い、薄い、厚い、薄い、…』となっています。

いや、“ナローワイド”なんだから、幅が『広い、狭い、広い、狭い、…』ってことか。

こいつはスゴイですよ!

なんたって、

このリングにするだけでチェーンが落ちない(らしい)んですから!!

リングを装着しさえすれば他に何もいらないシンプルさ!
そして美しいアルマイト加工と豊富なカラーバリエーション!

はは、こんなもんがあったとはね、メーカーさんも色々考えるな。

これだこれだ、これに決まりっしょ!!

……

………落ち着こう。

ドンピシャなもんを見つけてしまって熱くなってるだけかもしれない。

そ、そうだ、一旦保留にしたやつをもう一度考えてみようよ!

えっ…と、

まずは3.だな。
“FDをガード代わりに残す”か…。

うん、まぁ悪くないよね!

「あれ、キミの自転車、FDにワイヤーが通ってないね?よく見ればシフターもないじゃない?」

「えへへ、まぁ、そうなんですよ。実はカクカクシカジカでカスタマイズをですね…」

……

メンドクセー!!!

そんな素人のやっつけカスタマイズを自慢したいんじゃないんだYO

ほんでやっぱり掃除メンドクセー!

却下!!

次だ次ぃ!

次は5.の“チェーンキャッチャーを付ける”か…。

これはマジで実用的ですよね!

まず、そのものの値段が安い!これはかなり大きいポイントです!
節約ライダーにとってこういう「安くて使えるアイテム」はホントに重宝します。

そのうえ作業も楽チン!
バンドをシートチューブに挟んでネジ締めるだけですからね!

そして、使い回しが効く!これも高ポイント!
まぁ安すぎるので、次に使うときはそれ用で買ってしまうかもしれませんがね。

…うんうん…

…えっ… と、……

…そうだな………

ナローワイドかっけええぇぇEEEEeee!!!

茶番はここまでだっ!

もう出逢いを感じてしまったんだよ、ナローワイドになっ!

見た目!シンプルさ!変化の大きさ!
チョットお金はかかるけど、それは容易に黙殺できる満足度(が得られそう)!!

さて、やることは決まりました。



ナローワイドリングの選び方

SRAMがフロントシングルを提唱した流れで、各パーツメーカーがこぞってシングルギアを売り出していました。
※フロントシングルもナローワイドも存在自体はもっと昔からあったようです

中でもナローワイドリングは、それだけで完結するアイテムで非常に人気があり、まさに旬でしたので品揃えには困りませんでした。

では、数ある中からベストのリングをチョイスするには何にビーケアフルすればグッジョブなのか、抑えるべきポイントを確認しておきましょう。

PCDを確認

Pitch Circle Diameter」略で、
ギア板をクランクアームに固定する際のボルトを円状にグルっと結んだ時の、その円の直径のことです。
BCDBolt Circle Diameter」と表記することもあります。

PCDのサイズをクランクアームに合わせなければ取り付け自体ができませんので、
最重要項目です。

また、
従来はロードコンポならクランクは5アーム、MTBコンポなら4アームがほとんどでしたが、最近(2017年8月執筆時)はロードでも4アームが主流っぽいです。
しかもロードの4アームとMTBの4アームは互換性がありません。

クロスバイクはロードコンポで組んでいたり、MTBコンポで組んでいたり、モノによりますのでよく確認しましょう。

自転車探検!様が非常に詳しく解説されています。

※PCD(BCD)およびチェーンラインについて事前に押さえておいた方がいいポイントを簡単にまとめましたのでチェックしてみてください。

ナローワイドにシングル化する時の思考ポイント【PCD(BCD)とかチェーンラインとか】

歯数の決定

走りを左右する非常に重要なポイントですので、よくよく考えて決めてください。

私の場合を例に挙げると、

フロントは44-32-22のトリプルで、
リアは11-32の9速でした。

まず、

「カスタマイズを一通りやり切ったら山へ走りに行くつもり」

というのが大前提でした。
つまり、カスタマイズ中の用途では街中の通勤がメインですから、

平地や下りではよりスピードが出せるようにトップでもできるだけ回しきれないギア、

登りでは通勤ルートとは比較にならないほどの勾配をローはできるだけ温存して6~8枚目でなるべく登れるギア、

を、現在のギア構成で乗っている感覚から導き出さねばなりません。

私はというと、

まず22tは無い。軽すぎる。

32t、悪くはないが、トップ側が物足りないような気がする。

44t、峠というのがどんなもんかは分からないけど多分ロー側が足りない。

※ちなみに、『t』というのは英語で“歯”を意味するtoothの複数形である『teeth』の頭文字です。

という印象から、

おそらくミドルとアウターの中間くらいがちょうどいいだろう。36t、38t、40tあたりが候補だな。

となり、あとは消去法で、

40t
⇒ちょっとロー側が不安。トップ側は十分だけど山道でそんなに飛ばすことあるか?超ビギナーだし、坂道を無理なく登れることに主眼をおくべきだ。⇒無し

38t
⇒ちょうど中間の歯数でバランスも良さそう。トップ側の踏み応えとロー側の安心感を兼ね備えていそう。⇒キープ

36t
⇒38tと同じくバランスが良さそう。ロー側の安心感は38t以上。トップ側を比較してどうかな。平坦や下りでのスピードをどう考えるか。⇒キープ

そして最終的には、
山道に関しては初心者なのでまずは安全志向で、廉価MTBというなかなかの重量車体で山道を走るには、ということを重視して36tに決めました。

まぁ、これは一例に過ぎませんし、考え方は人それぞれです。
ですが、いきなり苦しいセッティングにすると辛い印象が勝ちやすくなり、楽しいものも楽しくなくなってしまいます。
自分の力量にあったセッティングを上手に選び、体力・脚力がついてきて物足りなくなったらその時にまた考えれば良いと思います。

そういうのも楽しみの1つです。

リアスプロケットの枚数(段数)

PCD(BCD)を確認し、歯数を決定したらあとは各メーカーのHPや通販サイト、レビューを投稿されているブログ記事を参考にしたり、購入店に相談するなどしてモノを決めます。

その際、リアスプロケット何速に対応しているモノかを確認しておいたほうが良いです。

ナローワイドリングに限ったことではありませんが、自転車のコンポ関係をいじる時というのは必ず段数の問題がついて回ります。
なんでもかんでも外して着ければOK!と簡単にはいかないのです。

で、現状ですが、ほとんどリア9速以上のものばっかりみたいですね。
つまり、リア9速以上じゃないとフロントギアをナローワイドのシングルにはできないっぽいということです。

リア8速以下の場合はナローワイドという選択自体が難しいかもしれませんね。
実際にはこちらのブログ様のように8速でインストールできることもあるようですが、メーカーが推奨していないことをやる以上、何かあっても自己責任です。

さてさて、そんなこんなで私の場合はWEB上の情報を頼りにこちらを購入しました!

RACEFACEのナローワイド36t

RACEFACEナローワイド36tです。

フロントシングル化に関する具体的な作業内容は下記リンクの別記事でご紹介するとして、

【前編】フロントシングル化のやり方と必要な道具を完全解説いたします!

作業其の一 チェーン切り
作業其の二 フロントディレイラー外し
作業其の三 フロントシフトケーブル除去
作業其の四 フロントシフター外し

【後編】フロントシングル化のやり方と必要な道具を完全解説いたします!

作業其の後 右クランク外し
作業其の六 リング取付
(※予備知識編⇒ナローワイドにシングル化する時の思考ポイント【PCD(BCD)とかチェーンラインとか】
作業其の七 右クランク取付
作業其の八 チェーン長調節&再リンク

さぁさぁ、

なんやかんやでぇ、

ナローワイドインストール完了の愛車

ナローワイドリング、インストール完了!!!
キタヨキタヨヽ(゚∀゚=゚∀゚)ノキチャッタヨ-!!!!!!

フロントシングル化、その効果は…

走りがシンプルに

シフトチェンジにおいてフロント変速の影響が無くなり、リアの変速のみで対応することになりました。

これが良いか悪いかは人によるでしょうし、用途にもよるでしょう。

私にとっては非常に大きなメリットとなりました。

“ギアを軽くするか重くするかはリアだけ”

これは超感覚的なシフトチェンジが可能になり、イチイチ考えずとも指が勝手に動いて最適なギアへチェンジしてくれます。

せっかくのライド中にシフトチェンジのことを常に考えているなんてもったいない!
それよりも、おいしい空気を吸い、小川のせせらぎに耳を傾け、山の緑と青空のコントラストに感動したいじゃないですか!!

掃除が楽に

ギアが2枚無くなり、FDが無くなり、シフターが無くなり、シフトケーブルも無くなり、

めちゃくちゃスッキリしました。

特にFD周りはゴチャゴチャとしていて掃除するにも手が届きにくかったりしたのですが、一気に解消されました。

また、部品の数だけ潜在的なトラブルも多く抱えることになるので、部品は少ないに越したことはないと思っています。

軽量化にもなります。

見た目の変化

実用面でももちろんそうですが、やっぱり見た目も大事ですよね。

コンポなんてほとんど黒とかシルバーとかばっかりですから、色付きのリングに交換すると一気にオリジナリティが出ますね。

実はチェーンリングだけではなく、ボルト一本から様々なドレスアップパーツがあります。

私みたいな人間はこういうのに弱いのですが、幸い節約ライダーなので手を出しても数百円程度のアイテムに留まっています。

ドレスアップ系のカスタマイズは特に考えているだけでも非常に楽しく、実装した時の満足度も高いのでおススメです。

その他にも、

チェーンラインはちゃんと出るのだろうか、
うまく変速してくれるのだろうか、
ホントにチェーン落ちないかな、

などなど、様々な不安がありましたが、

まったく問題ありませんでした!!

事前の下調べがそれなりにできていたのかな、とまた少し自信がつきました。

今回のカスタマイズも想定以上の効果を得られ、大満足でした!

さぁ、次のカスタマイズにいくぜー!

あー楽しー♪

愛車遍歴 ~弐号機 カスタマイズ其の参・バーカット&エンドバー装着~ へ続く



愛車遍歴シリーズ

愛車遍歴 ~初号機~

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愛車遍歴 ~弐号機 カスタマイズ其の壱・タイヤ交換~

・愛車遍歴 ~弐号機 カスタマイズ其の弐・フロントシングル化~ この記事です!

愛車遍歴 ~弐号機 カスタマイズ其の参・バーカット&エンドバー装着~

愛車遍歴 ~弐号機 カスタマイズ其の肆・フロントフォークのリジッド化~

愛車遍歴 ~弐号機 カスタマイズ其の伍・ペダル交換~


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