もともとは作業【後編】に簡潔に盛り込むつもりでしたが、
書いているうちになんやかんやと長ったらしい文章が出来上がり、
「いかんいかん、脱線した。ちょっと消すかな・・・」
と思って読み返すと、
結構大切なことばっかりじゃねーか。
いやまぁ書いた自分で言うのも何なのですが、
ド素人の自分があちこちから情報をかき集めて、眉唾ながら知識をつけて頑張ってやり遂げたカスタマイズというのは、
やっぱり同じく初心者さんにお伝えしたほうがいいと思うんですよね。
私もそうでしたが、
情報がひとまとめに凝縮されたサイトってなかなかなくて、
断片的に拾ってきた情報を自分なりに腑に落ちるように整理するのが結構大変で。
まぁそうして苦労してできたことって結構身になったりするので、悪いことばっかりではもちろんないんですけどね。
このブログのそもそもの目的は、
あ、これはガチの脱線ですな。
では本題へ。
愛車遍歴のフロントシングル化記事でも述べていますが、
チェーンリングを新しく付け替えるときは、愛車のクランクのPCD(またはBCD)に適合したサイズのリングを用意しなければなりません。
これは何よりも優先される最重要事項です。
愛車のクランクがロードクランクなのかMTBクランクなのか、まずはそこからです。
下記クリックで好きな項目へ移動
ロードクランクの場合
ロードクランクの場合は、現行4アームと旧5アームで状況が変わってきます。
4アームの場合
適合PCD(BCD)は110です。
残念ながら、ナローワイドのラインナップは少ないです。
シマノの現行4アームは形状が特殊なので、シマノ専用に対応しているモデルを探す必要があります。
これは探せばいくらか出てくると思います。
カンパニョーロにいたっては、145/112という超独自路線でGo my own wayです。
対応していないと思われます。
他メーカーの4アームはシマノ的な特殊形状というわけではないのですが、
前述の通り『4アームかつPCD110』を満たすリングがほとんどありません。
5アームの場合
適合PCD(BCD)は130か110です。
4アームとは違い、こちらは商品を見つけやすいと思います。
130はノーマルクランク、110はコンパクトクランク、という認識でよいでしょう。
型番から調べると確実です。
スラムはフラッグシップのREDシリーズでさえ5アームです。今のところ4アームはありません。
気を付けなければいけないのが、カンパニョーロの5アームです。
カンパは5アームも超独自路線で、PCDはノーマルが135、コンパクトが110です。
さらに、コンパクトの110は形状が特殊で、シマノはじめその他メーカーの一般的な110とは互換性がありません。
基本的にはカンパのリングしか取付できなくなっています。
MTBクランクの場合
5アームが無いわけではありませんがかなり古いモデルしかありませんので、MTBは基本的に4アームでOKです。
現物を見た方が早いですね。
適合PCD(BCD)は104か96です。
必ず型番から調べて確認してください。
ナローワイドはもともとオフロード用途として誕生したため、ラインナップは豊富です。
デザイン、色、歯数。どれも選び放題です。
シマノのMTBコンポ最上級グレードのXTR、およびセカンドグレードのXTは注意が必要です。
PCDは96ですが特殊形状です。
一般のPCD96のリングは適合しません。
XTR・XTのフロントをナローワイドに換装するには、シマノが専用に用意している純正ナローワイドリングを入手するか、もしくは他社製品で互換性があるものを探す必要があります。
牽引役のスラムはなんかもういろいろやってて、「基本的には○○です」というのがなくなってきているような気がします。
終いにゃスパイダーアームまで取っ払い始めている始末。
スラムにくっついてあっちへ行きこっちへ行き、チェーンリングなどを手掛けるメーカーさんたちも大変です。
規格がたくさんあるので、くどいようですが必ず型番から調べるようにしましょう。
※上記アーム本数やPCD(BCD)については2018年1月時点でのデータです。特に新しいモデルで実践される場合は必ず型番から適合するサイズを調べて、その時の市場にある物とマッチングさせて下さい。
取り付け位置決め
トリプルクランクと一部のダブルクランクには、同じクランクにリング取り付け用のボルト穴が2種類あります。
PCDの長い方(外側のボルト穴)と短い方(内側のボルト穴)ですね。
PCDの短い方
PCDの短い方に取り付ける場合は、
リングは歯数の少ないものしか商品がなく、チェーンラインもリアロー寄になってしまいます。
やたら軽いギア構成になるので、ピンポイントで狙ってそうする人以外は恩恵を受けにくいと思います。
前述の◯アームの場合〜のところでPCD64などを表記しなかったのはそれが理由です。
通常の用途であれば、短い方のPCDは考えなくてOKです。
PCDの長い方
ということで、
長い方のPCDに装着するとして、
迷うかもしれないのがアームの外側に着けるか内側に着けるか
ですね。
考え方としては、
チェーンラインをどのへんにしたいか
です。
チェーンは横方向へも動きますが縦方向ほど自由には動けません。横への振り幅が大きいほど摩擦も大きくなり、抵抗になります。
したがって走行中のチェーンは出来るだけ真っ直ぐが好ましいのですが、変速する以上は必ずチェーンが横方向へ動き、大小摩擦が生じます。
前後のギア数やその厚みなど、いくつかの要素から総合的かつ一応理論的に割り出した、そのセッティングにおいて(もちろん変速することも考慮して)最も摩擦が小さくチェーンが回転できるであろうとしたチェーンの基本ラインのことを、
“チェーンライン”
といいます。
フレームのセンターラインと平行になるように考えられています。
で、まずトリプルギアのクランクの場合。
なんとなくイメージがつくかと思いますが、
ほとんどの場合フロントミドルが最もチェーンラインに近い位置です。
リアトップとローに対してチェーンの横方向への移動が最も小さくて済むからです。ナローワイドを取り付けるのも、とりあえずミドルの位置にしておけば間違いありません。
次にダブルギアのクランクの場合。
アウターとインナーの中間あたりがチェーンラインですから、どっちが良いとかいうことはありません。
これは、ナローワイドを何tにするかという問題も含めて走りに関係する大切な部分で、
アウター側へ取り付ければ、
チェーンラインはよりリアトップ寄りになりますから、比較的重いギアをガシガシ踏みたい人とか平地メインの人とかには向いているでしょう。
なるべく歯数の少ないリングを取り付けて、リアトップ寄りでも坂道に対応することは可能です。
インナー側へ取り付ければ、
チェーンラインはよりリアロー寄りになりますから、上り坂とかグラベルなんかにはこちらの方が向いているでしょう。
なるべく歯数の多いリングを取り付けて、リアロー寄りでも重めのギアを踏めるように対応することは可能です。
競技の世界に身を置いて常に秒単位のレベルで闘っているなら話は別ですが、
そうでなければ実はチェーンラインについてはあまり神経質にならなくても大丈夫です。
数ミリ程度のズレなら走行に大きな支障はありません。
もちろん歯の摩耗がちょっとだけ激しくなる、というのはありますが,
そもそもギアチェンジすればチェーンは斜めになるのですから。
大切なのは目的を具体的かつ明確にし、それにマッチする方法を考えることです。
そして、しっかり考えた経験は必ず次に活きます。
今回のカスタマイズの要となるリングそのものを選ぶ事、
そして取り付けることによる走りの変化に関して、
とても大切なことでしたので別項にてご説明しました。
街乗りオンリーであったとしてもメリットの大きいカスタマイズ、フロントシングル化。
とてもおもしろいので是非多くの方にチャレンジしていただきたいです!
フロントシングル化 紹介記事
⇒愛車遍歴 ~弐号機 カスタマイズ其の弐・フロントシングル化~
フロントシングル化 作業【前編】
⇒【前編】フロントシングル化のやり方と必要な道具を完全解説いたします!
フロントシングル化 作業【後編】
⇒【後編】フロントシングル化のやり方と必要な道具を完全解説いたします!