神明峠(しんめいとうげ)

神明峠(しんめいとうげ)をご紹介いたします!

保津峡と越畑を結び、京都市・南丹市・亀岡市を往来する重要な峠道です。水尾の柚子園や樒原の棚田などに加え、自然と六丁峠も通ることになりその絶景も拝めて結構楽しめます。距離・勾配ともに登り応え十分でヒルクライム的にも◎。ルートに組み込むとまずまずの距離になり、トレーニングにもオススメです!



注)当記事内における勾配表記は、一部を除いて筆者の体感によるものであり、実計測値ではございません。

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神明峠 スペック&解説

保津側

距離:7.8km
最大標高差:426m
平均勾配:5.4%
最大勾配:13%

保津峡橋 渡ると保津峡駅 右が神明峠 左が六丁峠
保津峡駅へと続く保津峡橋。
ここから神明峠の保津側スタートです。

橋を渡れば保津峡駅ですが、神明峠は橋に向かって右手側へ、六丁峠へと続く道が左手側です。

保津峡駅には自販機がありますが、残念ながら改札の向こう側。
表に露店がありますが、常に出ているかは不明。

神明峠保津側序盤はゆるめの勾配
序盤はゆるめにタラタラと登っていきます。
山道ではあるものの道幅はそこそこ広く、路面の痛みもほとんどありません。
交通量もほとんどありませんので快適です。
水尾の集落に近づくにつれて柚子の木がチラホラ出てきます。

水尾集落 柚子で有名
3km過ぎのあたりで水尾の集落に入ります。
日中に通ってもあまり人っ気がありませんが、「水尾、柚子」などで調べるとおもしろそうな情報が結構ありますよ。

基本的には要予約ですが、地鶏に柚子のアクセントを効かせたような料理と、柚子風呂なんかもあるそうです。
紅葉のシーズンに保津峡界隈で景色を楽しみつつ水尾の集落でゆったりくつろぐ、なんてのも素敵ですよね。

水尾集落を抜けると再び山道へ
水尾の集落を抜けると一気に山道っぽくなっていきます。
それまではたまに開けた視界から山間の景色など楽しむこともできましたが、これ以降は両側が木々に覆われる完全な山道へと入っていきます。

山道最初の大きなカーブ 徐々に勾配も上がる
山道も序盤はそれほどキツイ勾配ではありませんが、最初の大きな左カーブ付近から少しずつキツイ箇所が増えてきます。

このカーブの少し手前の山側に、山水を雨どいで引いてあるところがあります。
確かな情報にはたどり着けませんでしたので断言はできかねますが、飲んでも大丈夫そうです。
筆者は飲んでもどうもありませんでした。

神明峠看板手前の急勾配ヘアピン
最初の左カーブからはグネグネと山道らしく進んでいきます。
急勾配はありませんが10%程度の箇所はいくつかあり、約5km登ってきていることもあってなかなかしんどいです。

およそ5.4km地点の上画像の右ヘアピンはここまでで最大の急勾配です。
左端を走りながらイン側へ視線をやるとエグイ角度で登っているのが良く分かります。

神明峠看板 まだ奥に登っていく
急勾配の右ヘアピンを回ると「神明峠」と書かれた看板が立っています。
しかし画像からも見て分かるようにまだ先へ登っており、しかも奥の方はきつそうな勾配です。

ここが「神明峠」とされているのは、
愛宕林道との分岐点 かつての鼓峠
看板の少し先に左へ下る「愛宕林道」があるからです。
つまり、ここまで登ってきた坂道と愛宕林道をつなぐのが神明峠、ということです。

その昔、京都へ向かう人がこの峠のあたりまで来ると、水尾の集落から鼓(つづみ)の音が聞こえてきて心が和まされたことから、もともと「鼓峠(つづみとうげ)」と呼ばれていたそうです。

しかしヒルクライム的には、まだ先へ登っている以上ここを峠とするわけにはいきません。

分岐点通過後の急勾配
愛宕林道との分岐点から奥へ進むとかなりの急勾配が待っています。
おそらく神明峠看板手前のヘアピンと同等、15%近くありそうです。
ずーっと続くわけではありませんので、何とか気合を入れて乗り切りましょう。
急勾配が落ち着けば、府道50号線のピークまではなだらかになります。

急勾配後はゆるやかに落ち着く 木の柵が見えたら峠までもう少し
ゆったりした下りと登りを繰り返しながら徐々に登っていきます。
「神明峠」の看板をすでに通過し、タラタラと山道が続き、なんだか峠を目指しているという感覚が薄れてきそうです。

左の崖側に木の柵が見えたらピークまでもう少しです。

神明峠 ちょっと分かりにくい
このあたりが府道50号線のピーク、つまり「峠」です。お疲れ様でした。
ラスト2kmほどがゆるゆるなため、意識していないと気付かず通過してしまうかもしれません。

越畑側

距離:4.2km
最大標高差:196m
平均勾配:4.6%
最大勾配:10%

廻り田池南の二俣 左へ登っていく
廻り田池南端の二俣からスタートです。

左は府道50号線、右は国道477号線です。
左を登っていきます。

2つめのヘアピン 見た目ほどきついコーナーではない
急勾配は出てきませんが、かといってゆるくもない道が続きます。
2つめのヘアピンはイン側を回ります。
イン側ですからそれなりにはキツイのですが、ペダルが回らなくなってこけそうになるほどではありません。
2車線の幅広い道で路面状態も良好ですので走りやすいです。

そば処まつばら 週末の昼時は混む
2つめのヘアピンを回って少し進むと「まつばら」というそば屋があります。
週末の昼時はかなり混み合うこともあり、画面右奥の方にもう一つ別の大きい駐車場があるのですが一杯になる時もあるほどです。
ここで昼食をとられる方は(特に週末は)なるべく昼ど真ん中の時間帯は外したほうがよいでしょう。

この先にカフェが1件ありますが、それ以外ではこのへんはほとんど何も補給できるポイントがありません。
上手に利用しないと無駄に時間ばかり食って、このあとの行程に支障が出かねません。

案内板のある三叉路前 一旦勾配落ち着く
しばらく登り続けると案内板のある三叉路に出ます。
このへんでスタートからおよそ1.6km、やっと勾配が平坦近くまで落ち着き一息つけます。
画像正面の建物が「このみ」というカフェです。

ちなみに、
スタート地点の二俣を右へ進み途中のT字路を左へ曲がると、この三叉路の右から出てくることができます。
しかしスタート地点の二俣の画像をご覧いただければお分かりになるかと思いますが、右へのルートは一旦下っています。
最初から登っているこちらの府道50号線ルートとは違い、一旦下ってからしかもこちらのルートより短い距離で同じ高さの三叉路まで登ってきますので、二俣右ルートの方が後半しんどいです。
T字路を左へ曲がって以降はなかなかの勾配が三叉路まで絶えず続きますので、興味のある方はそちらもお試しください。

宕陰中学校前 ゆるめに登っていく
三叉路以降はやや勾配が落ち着き、景色を楽しむ余裕もあるかもしれません。
こちらは宕陰(とういん)中学校前です。

この辺りは「樒原(しきみがはら)」という地名で、坂道から眼下に美しい棚田が広がっています。

老人ホームの愛宕ゆうこうの郷 一旦ピークになる
棚田を後にしてまたしばらく登り続けますが、前半と比較するとややゆるめの勾配です。

スタートからおよそ2.7km地点、「愛宕ゆうこうの郷」という老人ホーム前までやって来ます。
画像左側の建物がそれです。

峠自体はまだ先ですが、神明峠越畑側はここで一旦ピークを迎えます。
ここからは短いですが下り区間に入っていきます。

樒原の集落 ここ以降から山道へ入り再び登り出す
愛宕ゆうこうの郷から先へ進み、大樽のモニュメントを通り過ぎ、ゆるゆると下っていきます。
一旦山道へ突入したと見せかけてまたすぐ集落へ出ると、 画像右奥の鳥居付近からまたジワジワと登り始めます。

ここから山道へ再び入る 勾配はゆるめ
およそ3.5km地点から集落を後にして、ふたたび山道へ入ります。

峠までゆるめの勾配が続く
その後はこんな感じで、急勾配はなくゆったりゆったり登っていきます。

ゆうこうの郷から一旦グッと下ってからの登りがかなりゆるいので、この先の峠がゆうこうの郷より標高が高いか低いか、走っている感覚としてはよく分かりません。

しかし実際は峠の方が40m以上高い標高に位置します。

神明峠 まとめ

メインとなるのはやはり保津側ですが、越畑側も侮れません。

まず保津側ですが、
序盤は特に勾配がゆるい箇所も多いので、上手く脚を回復させながらシッティングとダンシングを使い分けて登っていきましょう。
よほどの激坂でなければ、なるべくケイデンスを一定に保って呼吸とリズムを合わせてテンポよく登れると多少楽です。

柚子で有名な水尾を通過していきますので、柚子園の光景が多少気分を和ませてくれるでしょう。
ただの山道を登るよりよほど楽しいです。

水尾の集落を通過すると本格的な山道へ入り、勾配もキツイ箇所が出てきます。
距離もそこそこあるため後半に出てくる急坂はやはり足腰に堪えますが、キツイ箇所はピンポイントでしかありませんので、ここぞというところで瞬間的に頑張れればクリアできると思います。

タイムアタックでもしない限り、序盤がゆるいからといって飛ばし過ぎないように、後半急勾配があることも頭に入れて、トータルで登りきれるようによくよく考えて走りましょう。

一方の越畑側ですが、
とりあえずスタートからおよそ2.7km先の愛宕ゆうこうの郷をピークとしてとらえて構わないと思います。

愛宕ゆうこうの郷までのスペックは、

距離:2.7km
平均勾配:5.6%
最大勾配:10%くらい

です。
京見峠よりちょっと楽、という感じでしょうか。

実際に走っても、ゆうこうの郷以降は峠道を登っているという感覚がどうも薄れます。
ピークに向かって力を振り絞って、峠に到達したときの「ヨッシャー!登ったー!!」という感じがあまりありませんので、
そういう意味ではヒルクライム的にはあまりおもしろくないかもしれません。

しかし棚田は必見です。
市街地からほど近くにこんなところがあるのか、と感心してしまいます。
「日本の里100選」にも選ばれている名所ですので是非訪れていただきたいです。

この界隈は補給できるポイントが少ないので、その点はお気を付けください。
ルートを引く際に時間的な予定を立てておき、補給食も入念に準備しておいた方がよいと思います。




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